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認知症とは?症状・予防について

お役立ち情報

認知症について

先日「認知症サポート養成講座」を受けてきました。

65歳以上の4人に1人が認知症または認知症予備群と言われる時代、認知症は他人事ではありません。

また若いからと言って安心というわけでもなく、認知症の芽は40歳代50歳代で成長を開始することや、若年性認知症、認知症介護の問題など誰にでも起こり得る身近な問題です。

「認知症サポート養成講座」は地域の住民が認知症を理解し、認知症の人と家族への応援者となり、認知症になっても安心して暮らしていける街を・・という趣旨でした。

講座の内容の一部と認知症について一部紹介します。

 

1、認知症とは

脳の障害です。脳は人間の活動をコントロールする司令塔です。

その司令塔が色々な原因で、脳の細胞が死んでしまったり、働きが悪くなったために様々な障害が起こり、生活するうえで支障が出ている状態(およそ6ヶ月以上継続)を認知症と言います。

認知症とは病名ではなく特有の症状を示す状態を総称する言葉です。

 

2, 認知症を引き起こす主な病気

① アルツハイマー病・・・認知症を引き起こす病気の中で最も多いのがアルツハイマー病です。約70%を占めています。

脳の中で記憶を司る海馬を中心に細胞が減少し萎縮します。

脳の中にβアミノロイドというたんぱく質が蓄積することで健全な神経細胞を変化・脱落させて、脳の働きを低下させます。

発症すると記憶障害の症状がみられ進行に伴って、場所、時間、人物などの認識ができなくなり、身体的機能も低下して動きが不自由になります。

進行の度合いは個人差があり、10年たっても穏やかに暮らしている人もいますが、わずか数年で寝たきりになる人もいます。

根本治療はありませんが早期発見で進行を遅らせることができます。

② レビー小体型認知症・・・パーキンソン症状や幻視を伴い、症状の変動が大きいのが特徴です。約15%を占めます。

③ 前頭側頭型認知症・・・司令塔の前頭前野を中心に障害される為、我慢したり思いやりなど社会性を失い「我が道を行く」行動をとる特徴があります。

④ 脳血管性認知症・・・脳梗塞、脳出血、脳動脈硬化などのために、神経の細胞に栄養や酸素が行き渡らなくなり、その部分の神経細胞が死んだり、神経のネットワークが壊れて、意欲が低下したり複雑な作業ができなくなったりします。

⑤ その他・・・クロイツフェルト・ヤコブ病、AIDSなどの感染症やアルコール中毒も認知症の原因となる病気です。

3, 認知症の症状

脳の細胞が壊れることによって直接起こる症状を中核症状と呼びます。(中核障害は治りにくい症状が多い)

① 記憶障害・・・脳の一部の細胞が壊れその働き失うと、新しいことが覚えられない、体験したことの一部だけでなく体験そのものを忘れるといった障害を起こします。

加齢による物忘れと認知症の記憶障害とは違っていて、たとえば夕食に何を食べたか思い出せないのではなく、夕食を食べた事を忘れる。

約束していたことをうっかり忘れるのではなく、約束していたこと自体を忘れる。物覚えが悪くなったように感じるのではなく、数分前の記憶が残らない。などの症状です。

② 見当識障害・・・現在の年月や時刻、自分がどこにいるかなど、基本的な状況を把握することができなくなる。

何回も時間を聞いたり、予定に合わせて準備することができなくなったり、季節感のない服装をしたり(夏にダウンコートを着て汗だくになっている)、自分の年がわからなくなります。

道に迷ったり、自宅でもトイレの場所がわからなくなったり、到底歩いていけないような距離をあるいて出かけようとします。

進行すると周囲も人との関係がわからなくなり、80歳の人が50歳の娘に叔母さんと呼んだり、亡くなっているはずの母親が心配しているかと遠く離れた郷里の実家に歩いて帰ろうとします。

③理解・判断力の障害…物事を考えたり判断にも支障が出てきます。

考えるスピードが遅くなり、2つ以上の事が重なるとうまく処理ができなくなります。

またいつもと違う場面になると混乱したり、目に見えない仕組みが理解できなくなったりします(例:自動販売機、ATM窓の前でまごまごしてしまう。洗濯機や携帯電話の使い方がわからなくなる)。

④ 実行機能障害・・・計画を立てたり按配(あんばい)したりすることができなくなり、日常生活を首尾よく営めなくなります。

計画を立て段取りをすることができなくなると、前日に買った大根や油揚げの事を忘れているので同じものを買ってしまいます。

夕食の準備に取り掛かったときに、冷蔵庫を開けても大根や油揚げの事を忘れてしまっているので、目に入った食材で味噌汁を作ります。

こうして冷蔵庫の中には同じ食材がたまりだします。

⑤ その他感情表現の変化・・・その場の状況が読めなくなり、周囲の人が予測しない、思いがけない感情の反応を示すことがあります。

例:「そんな馬鹿な」という言葉を、自分がバカといわれたと思い怒り出ししまったり、泣き出す。

認知症が進行すると、うつのような状態になったり、尿意や便意を感じにくくなったりしてトイレに失敗したり、もの盗られ妄想や徘徊などの症状も出てきます。

4, 認知症予防

残念ながら決定的な方法はありません。

生活習慣病の予防や、早期発見といった対策が肝心なようです。

バランスの取れた食事や適度な運動は、認知症が生じる可能性を低くするばかりではなく、生活習慣病など多くの病気のリスクも減らします。

食べ物の代表格は魚で、青魚にはDHAとEPAが豊富に含まれており、脳の機能を保つ働きがあるとされています。

日頃の生活に歩きながら引き算をしてみたり、しりとりをしながらラジオ体操をしたりというように、運動に脳の活動を加える事を取り入れるのも良いかもしれません。

社会との接触が失われると、認知機能を低下を促進させます。友人や家族などと楽しく過ごすことも大切です。

また人の役に立つことを日課に取り入れることが生活を充実させ、認知機能を高めます。

5, 認知症の人と接するときの心がまえ

認知症の人は何もわからないものではありません。誰よりも一番心配なのも、苦しいのも、悲しいのも本人です。

周囲の人が「認知症になった人」の本当の心を理解する事は容易ではありませんが、認知症の人の隠された悲しみや苦しみの表現を知っておくことが大切です。

認知症の障害を補いながら、さりげなく、自然にかかわっていく事が大切です。

認知症の人への対応の心構え3つの「ない」

① 驚かせない ② 急がせない ③自尊心を傷つけない

まとめ

健康関連のテレビ番組が多くなった昨今ですが、認知症について取り上げている番組が多くなっているように感じます。

身近なところでも、認知症の両親の介護の話を聞いたり、認知症の方の症状が進行していく様子を見たりします。

親が認知症になって、子供の事も忘れてしまう。親が親でなくなるのです。それでも介護していかなければならない。とても切ない話です。

いつも元気でおしゃれだった人がどんどん認知症が進行していき、一人では生活できなくなる様子などを見ると、切なくて怖くなります。

どんな病気でもそうですが「自分だけは大丈夫」と思いがちです。でもそんなことはないはずです。

認知症の予防に決定的なことがないにしても、生活習慣病の予防などできることはたくさんあるようです。

まずは自分が健康に気を付ける事で、自分とまわりの家族に悲しい思いをさせないよう、

そしてなってしまったら早期診断など対策を知っておくことで、

いつまでも、できだけ長く、穏やかに生活できるようにしたいものです。

 

 

 

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